後衛と前衛の二人で試合をするので、受け持つ範囲が五分五分だと思ったら大間違いである。おおよそだが前衛が7割は受け持たないと試合には勝てないと思う。
7割受け持つために特に重要なのが前衛のポジションである。立つ位置さえ適切ならコートの7割は前衛がカバーできるはずである。
では前衛のポジションはどこか、という事でもっとも簡単でわかり易い基本という意味では、後衛が打ち合っているコース(図中の青線)に対して、相手の後衛がボールを打つ打点と自分のコートのバックラインのセンターマークを一直線に結んで(図中の赤線)、その線上に前衛のポジション(図中の赤丸)があると思えばいい。これは後衛がクロスで打ち合っていても、サイドのストレートで打ち合っていても、同じ考えでポジションを決めればいいのだ。
本当か? と特にストレートの打ち合いの時のポジションを思うかもしれない。
例えば純クロスなら、相手後衛の左サイドぐらいから自分のコートのバックラインのセンターマークを結んだ直線上なので、ネットの前でセンターラインとサイドラインの真中ぐらいよりややセンターよりといったところである。
下の図の後衛が青線で打ち合っているときは、赤丸の位置が前衛のポジションになる。
右のサイドのストレートで後衛が打ち合っていたら、相手の後衛が打つ打点とセンターマークを結んだところで、センターラインと右のサイドラインの半分ぐらいか、やや右よりぐらいである。
下の図の後衛が青線で打ち合っているときは、 赤丸の位置が前衛のポジションになる。
特に後衛がストレートで打ち合っている時の前衛のポジションを間違えてはいけない。時々クロスで打ち合っている時と同じようなところにポジションをとっている人がいるが、これではほとんどボレーはできない。また相手の後衛の視界にも入らないだろう。
上記の図だと大きく左側が空いていて抜かれそうな気がするかもしれないが、基本的には抜きに来るのを待っていれば一歩でボレーできる範囲であり、相手の後衛も抜きたくなるから打ってくる可能性が高くなり、打ってきたら待ってました、とボレーすればいいのである。
このポジションで抜きに来るのを待ってますよ、ということになるのだが、たまにはポーチにでるのも効果的だ。ストレートの打ち合いは、すごく狭い範囲の打ち合いになり、このポジションで前衛が攻めのボレーも守りのボレーもできるとわかると、相手の後衛はかなりのプレッシャーになるはずで、速いボールを打つところがない、という感覚になってしまうことすらある。
相手の後衛がセンターから打つ時も同じで、前衛は真ん中にポジションをとることになる。逆クロスも前衛のポジションの考え方は同様である。
おおよそ以上のようなポジションをとれば相手の後衛が打てる場所は、クロスで打ち合っているならば、こちらの右のサイドラインの方に速いボールを打つか、前衛オーバーのロブを打つか、のどちらかぐらいである。ロブはサービスラインの少し後ろぐらいの範囲なら前衛の守備範囲なので、後衛が相手の前衛に触られる事無く打てるコースは、コートの3割ぐらいしかないはずである。
これで前衛が勝負してくるタイプだったら7割以上が前衛の範囲になって、相手の後衛はかなり前衛を意識して打たないといけない状態になり、ミスも増えるだろう。
前衛は正しいポジションを理解していないと、相手の後衛は楽だし、ペアの後衛は苦しくなってしまう。特にサイドラインでのストレートの打ち合いの時ほど、前衛のポジションは重要である。